ストレスやホルモンとの関係

薄毛の原因とよく言われるストレスやホルモンとの関係について

ストレスとホルモンは薄毛の原因となるか

世間一般に信じられている薄毛の原因として、「ストレス」があります。私も薄毛の話題になった場合は、決まってストレスのことを聞かれます。以前外国人と会話しているときにも、日本人は仕事で強いストレスを受けるから薄毛になったのではと心配されたことがあります。世界的にストレスが薄毛の原因だと信じられているようです。

確かにストレスが原因で薄毛になることがありますが、いわゆる遺伝性の男性型脱毛症とは深い関係はありません。ストレスが原因の薄毛としては、円形脱毛症や休止期脱毛などがあります。これは、急に極度のストレスを感じるような出来事に遭遇した場合に起こります。例えば、末期疾患であることが分かったり、親しい人と死別したり、離婚したり、リストラにあうなどの、急でショッキングな出来事です。そのため、一般によく言われている「仕事で感じるストレス」のようなレベルのストレスではなく、どちらかというとトラウマ体験が原因といえます。

円形脱毛症は免疫が毛包を異物と間違えて攻撃してしまう症状です。また休止期脱毛は急に多くの髪が、なんらかの変化を受けて休止期に移行してしまう症状です。大抵は、トラウマを乗り越えると、また髪が伸びてきます。でも、繰り返し強いストレスを受けていると、そのうち髪が生えてこなくなることもあります。髪のサイクル回数には限りがあると説明しましたが、サイクル数を使い果たすと髪が生えてこなくなるからです。

『Hair Loss Answers』には、パナマ運河で働いていたある男性が、高熱を伴うマラリアに何度もかかり、その極度のストレスによって繰り返し髪が休止期に移行し、22歳のときにすべての髪を失った例が挙げられています。また、ストレスはどちらかとうと、薄毛より白髪の原因になると考えられています。

日本で一般的に話題になるもう一つの薄毛の原因は「ホルモン」です。薄毛の男性はホルモンが旺盛で、性的にいやらしいと考えられることがあります。これに関しては、適切とはいえないけれど、少しは関係しているといえそうです。

20世紀の始めは、まだ去勢が行われていました。特に抑制のきかない精神病患者の治療法の一つとして、睾丸を取ることがあったようです。あるとき、精神科医が施設に収容された去勢されている男性の双子の兄弟が訪れたとき、その兄弟がとてもハゲていたことに注目しました。その双子の兄弟は通常の生活を送っており、去勢もしていませんでした。医者が去勢された男のほうに男性ホルモンのテストステロンを注射し続けたところ、数週間後には薄毛が始まったそうです。このことからも男性ホルモンが薄毛の原因となることが分かります。

ただし、同じようなケースは、親類に薄毛のいない人には起こらないようです。そのため、「ホルモン」と「遺伝」の2つの要素が合わさって初めて薄毛が発症することが分かりました。いくらホルモンが多くても、ホルモンが薄毛に反応しない遺伝子を持っている限りは、薄毛にはなりません。そのため、ホルモン旺盛だと薄毛になるとは単純に言えず、髪がフサフサでも実はホルモン旺盛な場合もありえるのです。